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《エンペラー・キリコ》

エンペラー・キリコ SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:サイバーロード/オリジン 13000
進化−自分の「サイバー」と種族にあるクリーチャーまたはオリジン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーをすべて、好きな順序で自分の山札の一番下に置く。その後、山札の上から、進化ではないクリーチャーが3体出るまでカードを表向きにする。その3体をバトルゾーンに出し、山札をシャッフルする。
T・ブレイカー
※プレミアム殿堂

DM-32で登場した進化サイバーロード/オリジン

バトルゾーンに出た時、自分の他のクリーチャーを全て山札の下に送還。その後、山札の上から進化でないクリーチャーが3体出るまでめくり、その3体を出したのち山札シャッフルする。

進化クリーチャー進化元ディスアドバンテージにして召喚されるため、通常のクリーチャーに比べて強力なデザインをされているのが普通だが、このクリーチャーはそれを補って余りあるほどの膨大なアドバンテージを叩き出す凶悪なフィニッシャーであった。
長い歴史を誇るデュエル・マスターズの中でも、《聖鎧亜キング・アルカディアス》《邪神M・ロマノフ》と並ぶ史上最凶の進化クリーチャーといっても過言ではないクリーチャーである。

進化でなければ、コスト文明を問わずどんなクリーチャーでも3体もコスト踏み倒し出来るという、まさに規格外の性能の持ち主。
その分山札からめくって出すというランダム性の高い効果に仕上がっているように一見見えるが、専用構築をすればいくらでも改善可能。バトルゾーンに出た時、自分の他のクリーチャーを全て山札の下に送還してしまうが、そもそも自分のバトルゾーンクリーチャーがいなければデメリットにならない。結果として、空の盤面からパワー13000のT・ブレイカーと3体の強力なクリーチャーを展開するという、インチキじみたアドバンテージを得ることが可能なのである。

コスト踏み倒しする対象は、単体で高いフィニッシュ力を持つファッティから、強力なcipもちクリーチャー、追加打点で一気に仕留めるスピードアタッカーまでより取りみどり。
【エンペラー・キリコ】の最終形では、《エンペラー・キリコ》とスピードアタッカーの打点に加え、《光神龍スペル・デル・フィン》呪文を封じた上で1ショットキルを叩き込むのが定石であった。打点候補は、《母なる星域》から踏み倒すことが可能でマナゾーン《光神龍スペル・デル・フィン》を出すことが出来る《超竜ヴァルキリアス》を第二の軸とし、《超竜ヴァルキリアス》で踏み倒せる大型スピードアタッカードラゴンで固めるのが主流であった(【星域キリコドラゴン】、【ヴァルキリコ】とも)。

進化元となるサイバーオリジンは、《蒼狼の始祖アマテラス》《黙示賢者ソルハバキ》《黙示聖者ファル・レーゼ》が採用され、コントロールカードとしてデッキ回転を助けつつ、《エンペラー・キリコ》でコスト踏み倒ししてしまっても《母なる星域》回収することで、自身を進化元に《エンペラー・キリコ》を出し直す隙のないムーブが可能であった。

欠点としては進化クリーチャーコストが8とかなり重めなことが挙げられるが、進化元は良粒揃いの上、《母なる星域》で両方のデメリットをほぼ克服してしまった。それでもハンデスランデスなどのコンボ妨害、【速攻】などはつらい展開になりがちであったが、逆に言えばそうでないデッキ相手なら常々、《エンペラー・キリコ》を出すことにさえ成功すれば、圧倒的な能力で相手を捻り潰すことが可能だった。

1度出されると悪い時は全くターンが回ってこないことから、往年の《無双竜機ボルバルザーク》に匹敵するとまで言われ、『ボルバル・マスターズ』になぞらえて『キリコ・マスターズ』という言葉まで生み出した。《サイバー・N・ワールド》《ボルバルザーク・エクス》の登場以降はさらに悪化し、【エンペラー・キリコ】【Nエクス】と並んでソリティアデッキとして名をはせ、環境を蹂躙した。

2012年3月15日付でプレミアム殿堂入りを果たし、限られたレギュレーションでしか見ることができなくなった。合計1年半以上の長きにわたり環境に君臨し続けたフィニッシャーであった。
エピソード2間近でのプレミアム殿堂入りであり、エピソード2ゼニスキング・コマンド・ドラゴンなどの強力なファッティを登場したため、そのためにも必要な措置だったのだろう。

環境において

DM-32で登場すると、すぐに専用デッキ【エンペラー・キリコ】が組まれ、環境に出現。強力なカードではあるが汎用性の高いカードなわけではないので、専用デッキ以外での採用はまずなく、新しいアーキタイプが確立するまでにはそれなりの時間を要した。

当初のコスト踏み倒し候補は《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》《魔刻の斬将オルゼキア》《光神龍スペル・デル・フィン》などのグッドスタッフ達。《緑神龍ザールベルグ》《シェル・フォートレス》もよく採用された。この頃はまだ《エンペラー・キリコ》と強固なシナジーを発揮できる相手が多くなかったが、それでも1枚から稼ぎ出す膨大なアドバンテージは脅威的であり、環境の一員として明確な地位を築き上げるに至った。また、非常に高い汎用性と対応力を持ちながら進化元にもなる《蒼狼の始祖アマテラス》は登場からプレミアム殿堂までの間必ずセットで採用され続けた。
不完全なフィニッシュ力を補うために様々な型が検討され、《緑神龍ザールベルグ》《シェル・フォートレス》でのランデスに特化した【キリコランデス】などが考案された。
《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》はまだ4枚積み可能であり、山札送還を拒否できるため複数回の《エンペラー・キリコ》でも盤面を保持でき、よく採用された。ワンショットには《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》が用いられ、《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》の一斉攻撃は耐えるのが難しかった。

DM-33《母なる星域》が登場すると、進化コストの重さ、ハンデス等によるコンボ妨害の耐性のなさを一気に克服し、【エンペラー・キリコ】は瞬く間にトップメタにのし上がる。当時4積み可能であった《蒼狼の始祖アマテラス》から安定して着地させることが可能であり、コスト踏み倒し《蒼狼の始祖アマテラス》がでれば《フォース・アゲイン》を使うことで再度《エンペラー・キリコ》を出し直すことが可能であった。
マナゾーンに《エンペラー・キリコ》を含む7マナがあれば、《黙示賢者ソルハバキ》《蒼狼の始祖アマテラス》を通して突然空の盤面から《エンペラー・キリコ》が飛んでくるという即死性により、多くのプレイヤーを恐れさせた。

DM-34《ボルシャック・クロス・NEX》が登場すると、それと《光神龍スペル・デル・フィン》などのファッティドラゴンを主なコスト踏み倒し先にし、《龍仙ロマネスク》と第二の軸となる《超竜ヴァルキリアス》《超竜バジュラズテラ》を組み込んだ【星域キリコドラゴン】が誕生。
コストドラゴングッドスタッフ性が高く《エンペラー・キリコ》がなくても十分強力であること、《超竜ヴァルキリアス》《超竜バジュラズテラ》との相性が良いこと、4枚使えた《龍仙ロマネスク》マナブーストから種族まで膨大なアドバンテージを余すことなく使えたなど、極めて屈強なシナジーと完成度を誇るデッキであり、【星域キリコドラゴン】は同時期に生まれた【キングロックキリコ】と共に環境を席巻した。

神化編環境で暴れ回ったが、2010年5月15日、《龍仙ロマネスク》《蒼狼の始祖アマテラス》《聖鎧亜キング・アルカディアス》プレミアム殿堂)など相性の良いカードとともに遂に殿堂入りデッキの核を見事に撃ち抜かれた結果となり、【エンペラー・キリコ】の爆発力も安定性も格段に低下。覚醒編サイキック・クリーチャーフィニッシャーとして跋扈する環境に変化し、【エンペラー・キリコ】は大きな弱体化を余儀なくされた。
環境からは一歩引く形となったが、代わりに超次元をサブフィニッシャーとして新たな戦略プランに組み込んだり構築をコントロールに寄せることで【エンペラー・キリコ】はしぶとく生き残っていた。この時期はどちらかというと【不滅オロチ】フィニッシャーに使われることが多く、環境においてはそちらでの活躍が大きかった。

そしてエピソード1に突入すると、《サイバー・N・ワールド》《永遠のリュウセイ・カイザー》を獲得。地位が揺らいでいた《エンペラー・キリコ》本人に再び栄光が舞い戻ることになる。
《サイバー・N・ワールド》手札を補充しつつ進化元と打点をこなす三面六臂の活躍を見せ、墓地に落ちた《エンペラー・キリコ》や大型クリーチャーを再度山札ないし手札に戻すことまで可能になったという、あまりにも好都合なカードであった。《蒼狼の始祖アマテラス》のように今引きでゲームを終わらせる力はないが、リペアとしては十分な力を持っていた。
《永遠のリュウセイ・カイザー》は言わずと知れたグッドスタッフパワーカードの化身であり、味方のスピードアタッカー化で1ショットキルを強力にサポートする。ビートダウンに対してメタ性能を持ち、苦手なハンデスマッドネスでカバーするという徹底ぶりで、カードプールの遷移でもの足りなくなっていたデッキのパワーを見事に補ってくれた。

最終的には《ボルバルザーク・エクス》という最高の相棒まで現れた。マナアンタップは更なるクリーチャーの展開を助長し、空の盤面からの《エンペラー・キリコ》降臨がさらに容易に。《エンペラー・キリコ》で山札に戻し再利用することで、マナは延々アンタップされつづけ、デッキのすべてのパワーカードを出し尽くすまで《エンペラー・キリコ》の賽を振り直した。その理不尽極まるムーブは【エンペラー・キリコ】を悪名高きソリティアとしてプレイヤーに認知させるにまで至った。
こうしてエピソード1グッドスタッフをふんだんに積みこんだ新型【星域キリコドラゴン】はあらゆる大会のトップを独走することとなった。

合計2年以上の長きにわたり環境に君臨し続けたフィニッシャーであったが、2012年3月15日付で《邪神M・ロマノフ》と共にプレミアム殿堂への昇格が決定。【エンペラー・キリコ】系列のデッキは完全に消滅した。

環境での活躍を見ればこの措置もやむを得ないだろう。《インフェルノ・ゲート》《ミラクルとミステリーの扉》などのように、マナコストの制限のないコスト踏み倒しは非常に強力であるという不文律を示したカードの1つとなった。

【星域キリコドラゴン】自然デッキエンジンでファッティクリーチャーを繰り出して戦うデッキアーキタイプとして、【Nエクス】のノウハウとともに【ビッグマナ】に受け継がれることになる。
特に【白刃鬼】には、カードを駆使した防御機構まで見事に受け継がれたといえる。

殿堂解除が実装されたが、《エンペラー・キリコ》を候補として挙げる声は多い。
コスト踏み倒しメタが跋扈しているのはもちろんのこと、現役時代に比べて侵略ではない高コストの進化クリーチャーが使われることがほぼ無くなるほど【速攻】【ビートダウン】が超高速化していることから、当時からの弱点であった「自身の重さ故に出される前に攻められると脆い」という点が致命的な問題になっている。
そうでなくとも種族進化デメリットが大きく、呪文偏重の構成は《音奏 プーンギ》のような強力になった呪文メタの影響を受けやすい。
相性の良いカードも増えておりそれらに対抗する手段もなくはないが、同時にかつての相方達はプレミアム殿堂殿堂入り環境インフレで姿を消しており、いずれにしても環境レベルのデッキパワーにはなりえないという見方が強い。

その他

  • 対戦相手からすれば、負け濃厚と解りつつも何もできず、長々待たされた上で結局負けるという光景も多く、このようなソリティアの状態を生み出す点も《キリコ》が嫌がられ、禁止化された一つの要因と言える。

関連カード

収録セット

参考