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無双竜機(むそうりゅうき)ボルバルザーク》

無双竜機ボルバルザーク VR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、他のパワー6000のクリーチャーをすべて破壊する。その後、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。そのターンの終わりに、自分はゲームに負ける。
スピードアタッカー
W・ブレイカー
※プレミアム殿堂

DM-10で登場した/自然アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン

スピードアタッカーW・ブレイカーに加え、バトルゾーンに出た時、自身除くパワーが6000ちょうどのクリーチャーを全て破壊した後、エクストラターンを追加し、そのエクストラターンの終わりに負ける特殊敗北条件を得るトリガー能力を持つ。
長いデュエル・マスターズの歴史の中でも、他に類を見ないほどの凶悪なフィニッシャーデュエル・マスターズ最強のクリーチャーは何かという不毛極まりない問いに対し、真っ先に挙げられるであろうカードである。

パワー6000のクリーチャーを破壊する効果によってS・トリガーを封印する《呪紋の化身》との併用が難しいものの、

などの恩恵をもたらすエクストラターンは強力そのもの。
これは、将棋で二手連続で自分の手を指すようなものであり、対応の出来ない相手を確実に仕留めることができた。

同じくDM-10で登場した《母なる大地》との相性も抜群で、序盤に埋めたボルバルを必要に応じて簡単にマナゾーンから呼び出せた。また、《母なる大地》は相手のボルバルを引き摺りだすことによって強烈なメタカードにもなり、ボルバルとは切り離せない存在であった。

登場当初は「ゲームに負ける」と言うデメリットが目立ちネタカード扱いであり、肝心のエクストラターンも前弾の《聖剣炎獣バーレスク》が弱かったことから甘く見られていたが、全国大会での【ボルバルステロイド】の活躍により一気に脚光を浴びた。ドロー要素を加えた【ボルバルブルー】も実績を上げていくにつれ、非常に強力なカードとして広まった。
悪い意味で目を引く特殊敗北条件も、実際は「ここで出せば勝てる」という状況で出せばいいだけの話であり、戦況をしっかりと読める判断力が使用者に備わってさえいれば、無いも同然のデメリットである。そしてその「出せば勝てる状況」を作り出していたのは、他ならぬエクストラターンの存在であった、その結果「出すだけでエクストラターンが獲得できる2打点のスピードアタッカー」として猛威を振るうことになる。

聖拳編環境転生編環境のおよそ2年間に亘ってトップメタを独走し環境を染め上げ続けたが、2006年3月15日に初のプレミアム殿堂カードとなった。

《ボルバルザーク》が環境プレイヤーに与えた影響は非常に大きい。デュエル・マスターズの歴史を語る上では外すことのできないカードであることは間違いないだろう。

性質について

強すぎるフィニッシャーは単体で環境を染めてしまい非難されることも少なくないが、《ボルバルザーク》が凶悪なカードとして伝説となり得たのはその性質にある。
無論彼がフィニッシャーとして異常に質が高いのは言うまでもないが、その代償である特殊敗北条件デュエル・マスターズのゲーム性を大きく狂わせていた。

《ボルバルザーク》が出たということは、使ったプレイヤーが「勝つ」か「特殊敗北条件で自滅する」の2択にゲームがゆだねられることを意味しており、いずれにせよエクストラターンが終わるまでには絶対にゲームが終了してしまう。それどころか、出された時点で使われたプレイヤーターンが回ってくることはないゲームに介入出来る要素は失われ、傍観者に等しい存在にされてしまうのである。
なにより、《ボルバルザーク》を使われた側は、勝ち負けいずれにせよ自分で勝つ権利を完全に剥奪されてしまう。《ボルバルザーク》が失敗しても、結局は「相手が自滅した」だけであり、自分のデッキで勝利したわけではない。《ボルバルザーク》が使われた時点で、負かされるのでなければ相手の《ボルバルザーク》に勝たされてしまうのである。
無論、それで勝ってもまるで面白くないのは言うまでもない。好きなだけカードをプレイしたあと、失敗したら勝手に自滅してしまうのだから、使われた側の理不尽感・虚無感は相当なものである。

使われた側のデッキギミック・フィニッシュまでのゲームプランをすべて無下にし、無理やりゲームを終わらせてしまう。「勝つために尽力する」という勝負事の根幹そのものを相手から奪うこの性質は、ゲーム性の破壊という点ではほかの追随を許さないほど凶悪である。それがたった1枚のカードのcipで引き起こされるのだからたまったものではない。
「単体で勝負を決めかねない手軽なパワーカード」「デッキやカードの選択肢を著しく狭める汎用性」は数多凶悪フィニッシャーとさることながら、
「出すと間違いなくデュエルが終了する」「使われた側の自力で勝つ要素が失われる」の二点で、《ボルバルザーク》は一線を画した存在といえる。

勝敗も内容もゲーム終了の決定権もすべて《ボルバルザーク》に帰結する。まさにボルバル・マスターズという言葉が相応しい惨状と言えよう。
プレミアム殿堂に至るまでの2年間という長さもまた、非難が集中した理由である。
当時プレイヤーの中には暗黒期と呼ぶ者もおり、多くのプレイヤーが辟易してデュエルマスターズをやめていった。

  • こうなってしまったのは、特殊敗北条件が確実かつ極めて能動的だからである。特殊敗北条件もちの強力なカードは数多あるが、それらはすべて除去された時や敗北の遅延であり、受動的である。ゲームが終わるという意味では、「必ず負ける」は「必ず勝つ」に等しく凶悪であり、その事を考えれば少なくとも通常クリーチャーcipで存在していい能力ではない。
  • まっとうに考えれば、エクストラターンという強力なメリットに対し特殊敗北条件という強烈なデメリットをつけてカードパワーのバランスを取ろうと考えたのだろうが、実際の運用を踏まえれば全く相殺できていない。上記の通り「ここで出せば勝てる」という状況で出せば無いも同然である。
  • また、そもそも強烈なメリットに対して強烈なデメリットをつけてカードパワーのバランスをとろうとした所からも問題があるといえる。結果として、エクストラターンによる相手プレイヤーの拘束と、特殊敗北条件による強制ゲーム終了の二面性から、《ボルバルザーク》は当時デュエルマスターズのゲーム性を破壊してしまった。
  • 現在では、《終末の時計 ザ・クロック》で強制的にターンをとばしたり、《伝説のレジェンド ドギラゴン》のような敗北回避能力を使えば、強制敗北を無効化して相手にターンを明け渡すことができる。しかし、それはそれで問題だろう。

環境において

環境での活躍は、ボルバル・マスターズのページにて。

殿堂ゼロデュエルにおいて

殿堂ゼロデュエルでは後の凶カード、《エンペラー・キリコ》《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》【モルト NEXT】などとの悪夢の共演も見られた。過去の惨劇とはまた別に、惨劇が当たり前のルールで思いっきりぶん回すのはまた一興であろう。

ただし現在では、殿堂ゼロデュエルにおいて、7コストフィニッシャーは非常に重く、ガチデッキに投入されることは稀。また、これを出したターン中にブレイクして《Dの牢閣 メメント守神宮》S・トリガーで踏んでそのままエクストラターンに入ると、そのままそちらのDスイッチで敗北がほぼ決定してしまうため、殿堂レギュレーション下で使用できた頃以上に何らかのS・トリガー封じが必要になる。

作中での活躍

  • 漫画ではヤカンマン戦で勝舞が使用。色々と思わせぶりなタメがあった割に、召喚後にまず《アルティメット・ドラゴン》攻撃し、その後ボルバルザークは《電脳聖者タージマル》ブロックされて倒されている。後に最初の使用禁止になるカードとは思えないあんまりな扱いであり、漫画での登場はここだけとなっている。なお、この戦いはエクストラターンにより勝舞が勝っている。
    技名は「必殺、無双竜剣」とかなり勇ましいが、前述のタージマルに白刃取りされたあげく、反撃のビームで腹に穴をあけられた。
    • このようにやられ役を務めていたため当初このカードが過小評価されていたのではないかという見方もある。
  • アニメ「2017」32話では、直接登場することはなかったが、勝舞のマナゾーンに置かれているのが確認できる。

このカードを中心とした主なデッキタイプ

これほどのデッキタイプを持つカードは後の主人公のエースカード《蒼き団長 ドギラゴン剣》くらいのものであり、当時のボルバルの異常な盛行具合がよくわかる。

その他

  • 海外ではなんと何の調整も無く登場している。これが海外版の展開が(一旦)終了した要因とも。海外版では強力なカードは修正される傾向が強いので意外である。
  • 余談だが、その強力さと悪質さはカードゲーム全般でも有名であり、「全カードゲームで最凶のカードはなにか」という話題には必ずと言っていいほど候補に挙がる。
  • DMX-04DMX-05のCMでは現役を退いて隠居生活を送っていたのか、のんびりと温泉につかっているボルバルザークを見る事が出来る。
    さらにDMX-12ではそのイラストで再録された。プレミアム殿堂になったカードが再録されたのは今回が初めてである。また、同時に《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》も再録され、両者ともにマナの所にリースが付き、コストのところに「PREMIUM」と書かれたリボンが巻かれるという装飾がされている。
    • 余談だが、ボルバルが温泉に浸かっていたことから、プレミアム殿堂に指定されることを「温泉行き」「温泉送り」などと言われるようになった。

関連カード

収録セット

参考