#author("2019-08-20T13:46:02+09:00","","")
#author("2020-01-18T01:19:06+09:00","","")
*《ラスト・バイオレンス》 [#o4d7d878]

|ラスト・バイオレンス R 光/水/闇/火/自然文明 (8)|
|呪文|
|自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。|
|相手の、多色ではないクリーチャーを1体破壊する。|
|相手は、自分自身のマナゾーンから多色ではないカードを2枚選び、墓地に置く。|
|自分の山札を見る。その中から多色クリーチャーを1体選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。|

[[DM-27>DM-27 「極神編 第4弾 完全極神(パーフェクト・ヘヴン)」]]で登場した[[5色レインボー]][[呪文]]。

[[シールド]]追加、[[多色]]以外の確定[[除去]]、[[多色]]以外の相手選択の2枚[[ランデス]]、[[多色]][[クリーチャー]]の[[サーチ]]をすべて行う。

4つの全く異なる[[能力]]を詰め込んだ[[アドバンテージ]]の塊であり、単なる枚数交換だと[[《英知と追撃の宝剣》]]の1:4交換をも超える1:5交換という凄まじい物。また[[シールド]]追加や[[サーチ]]といった直接自分に[[アドバンテージ]]をもたらす要素も持ち合わせており、[[デッキ]]や状況を選ばず等しく膨大な[[アドバンテージ]]を稼ぎ出す。[[除去]]や[[ランデス]]の内容が[[バウンス]]ではなく[[破壊]][[効果]]であることも踏まえて、ひとまず打ち込んでおけば問題ない水準をもった[[パワーカード]]である。
一見単に[[能力]]を詰め込んだちぐはぐな[[カード]]であるが、ひとつひとつ要素を解釈していくとそれぞれが巧妙に噛み合っており、数多[[デッキ]]で様々な役割を見出すことが出来る、完成度・ポテンシャル共に非常に高い[[カード]]となっている。

性質についてまず言及すべきは[[フィニッシャー]]性であろう。
[[除去]]と[[ランデス]]を同時に放つのは[[テンポアドバンテージ]]の面ですさまじい効力を持ち、場と同時に2枚の[[マナ]]を持っていかれることで生まれるそれは勝負を決する破壊力を誇る、その凶悪性は[[《英知と追撃の宝剣》]]を知るものなら説明はいらないだろう。
さらに《ラスト・バイオレンス》の場合、その内容が[[バウンス]]などの遅延だけのものではなく、[[破壊]]や[[ランデス]]といった直接ソースを消耗させるものであるため、打ち込まれた相手に後続を残さない。結果、相手は多大なテンポロスを強いられた上で[[手札]]等を[[マナ]]に回さざるを得なくなり立て直しが利かないことも多く、そのまま単体で決定打となりえることも少なくない。
特に短期決戦を見据えた[[デッキ]]([[デッキ]]からのソース補充手段を持たない[[デッキ]])がこれをもらってしまうと、根本的にフィニッシュまで必要なソースが足りなくなってしまうため、下記の防御性能のことも踏まえ勝つことが絶望的になる。
尚[[《英知と追撃の宝剣》]]と同じく連射すれば凶悪性を増し、大体の[[デッキ]]相手に1枚目で消耗戦に陥れた上で2枚目を打ち込むこと成功すれば勝負を決したといっても過言ではない。

次に言及すべきはその防御性能である。
[[シールド]]追加、確定[[除去]]を同時に行うことから、相手の打点を消し飛ばせば相乗効果によりリーサルを大いに遅らせることが出来る。この2つの能力は相乗するだけでなく、[[シールド]]増加の効力が薄い大型打点に対して[[除去]]が刺さり、逆に[[除去]]だけでは防げない「[[シールド]]0状態からの[[スピードアタッカー]]による強襲」を[[シールド]]追加で防げるという相補関係にもあるため、[[呪文]]から生まれる効力とは思えないほど万能で盤面を選ばず有効である。
加えてここでも[[ランデス]]が有効に働き、これによって相手に失速と消耗を強いるため、大きな隙が生まれることも少なくなく自分はその間に立て直しを図ることが出来る。

[[デッキ]]によってさまざまな役割や効力を期待できるが、主な性質はこの2点である。また、いろいろ詰め込んであるためわかりにくいが、総合的に見れば、この効果の組み合わせは高い[[ビートダウン]]耐性を持っていることが分かる。

そして、この2点及び数多性質を更なる高みをへ押し上げている要因が[[多色]][[クリーチャー]]の[[サーチ]]効果である。他能力で相手を荒らした後、立て直しを図るであろう相手の動きを見据えて[[サーチ]]を行うことで効力をより確実なものとすることが出来る。
迅速に勝負を決めに行くなら[[《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》]]、さらなる消耗を強いるなら[[《偽りの王 ヴィルヘルム》]]、ランデス後に手札に使えずに残っているカードをハンデスできる[[《ニコル・ボーラス》]]、選択肢を増やしにいくなら[[《深塊封魔ゲルネウス》]]や[[《護精霊騎ヴァルチャー》]]・[[《飛散する斧 プロメテウス》]]、大量の[[マナ]]を求めるなら[[《龍仙ロマネスク》]]・[[《トップ・オブ・ロマネスク》]]、今まで恩恵が薄かった防御性能に関しても[[《百族の長 プチョヘンザ》]]や待望の[[多色]][[ニンジャ・ストライク]][[《怒流牙 サイゾウミスト》]]・・・といように、適切な場に適当な[[多色]][[クリーチャー]]を[[サーチ]]することで、単体の[[カード]]ながらもその効力はゲームを先導出来るにまで至る。

1枚で本当に様々な性質を持つため、それぞれに役割を見出せば投入できる[[デッキ]]は多岐にわたる。[[シールド]]追加に注目して[[《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》]]で踏み倒しを狙いつつ弾丸補充なども面白いし、[[ランデス]]に注目して[[《焦土と開拓の天変》]]を絡ませて徹底的に足を引っ張って消耗を強いてもいい(>[[【5色ランデス】]])。[[グッドスタッフ]]ではこの[[カード]]自体が高い[[グッドスタッフ]]性を持つ上に、[[サーチ]]効果は文面以上に凶悪なものになるだろう。

カードパワー・ポテンシャル共にかなりの高水準をもった[[カード]]あるが、その分[[コスト]]が非常に重い上に[[5色レインボー]]であるため、普通の[[デッキ]]では唱える事もままならない。能力の成長性や汎用性を考慮しても、高いデッキビルディング能力を要求される。

単純な[[パワーカード]]でありながらも、重量級[[5色レインボー]]のカバーを必要とし、その上でさらなるポテンシャルの底上げが可能な、デッキビルドやプレイングの腕が問われる[[カード]]である。
[[除去]]、防衛、潤滑油、疑似[[フィニッシャー]]などなど、持てる役割は本当に多い。そしてそれらの役割を持てるかはデッキビルディングやプレイングで決まってくる。普通に投入してもいいのだが、個々の能力の成長性が高いため、構築で少し気にかけてやればさらなるパワーアップが期待できる。様々な能力が1枚に交錯する中、《ラスト・バイオレンス》に明確な仕事を見いだせれば運用性は跳ね上がるだろう。ポテンシャルは本当に高いため、是非とも上手く扱いたい1枚である。

-初登場から10年以上たった現在でも、唯一の[[5色レインボー]][[呪文]]である。
-初登場から10年以上、唯一の[[5色レインボー]][[呪文]]だったが、[[DMEX-08>DMEX-08 「謎のブラックボックスパック」]]で[[《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》>《「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》]]が登場した。
--[[DM-27>DM-27 「極神編 第4弾 完全極神(パーフェクト・ヘヴン)」]]発売(2008年3月20日)から[[DMEX-08>DMEX-08 「謎のブラックボックスパック」]]発売(2020年1月25日)までの日数は''4328日''である。

-効果処理は[[テキスト]]の上に書かれているものから順に行う。そのため[[サーチ]]したい[[カード]]が最初の[[シールド追加]]でシールドに埋まってしまうこともあるため注意。

-[[ランデス]]効果は相手選択であるため、色基盤の破壊は行えない。[[ランデス]]を主軸とする場合はちょっと引っかかるかもしれない。

-[[《英知と追撃の宝剣》]]同様に連打することで凶悪さを増す[[カード]]ではあるが、[[5色レインボー]]であるため[[マナ]]が発生しないことから、[[デッキ]]に積みすぎると悲惨な事故を招くので注意。

-[[光]]の[[除去]][[呪文]]であるため、アルカディアス系の[[呪文]][[ロック]]に痛烈に刺さる。特に[[《聖霊王アルファディオス》]]を無条件で[[除去]]できる数少ない[[カード]]でもある。それらのメタとして機能するのは忘れないでおきたい。
--[[《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》]]は[[多色]][[クリーチャー]]であるため[[破壊]]出来ない。

-強力な[[呪文]]であるため、[[コスト踏み倒し]]を狙ってもいいだろう。[[光]]の[[呪文]]であるため[[《超聖竜ボルフェウス・ヘヴン》]]や[[《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》]]で、[[闇]]の[[呪文]]であるため[[《邪神の覚醒者ロマノフ・Z・ウィザード》]]でも踏み倒せる。

-[[ランデス]]効果を主とし、《ラスト・バイオレンス》そのものを核としたデッキが[[【5色ランデス】]]。複数回手打ちするだけでなく[[《邪神の覚醒者ロマノフ・Z・ウィザード》]]を絡ませることで、凶悪な威力を持つこの[[呪文]]を何度も唱えられる事も稀ではない。[[呪文]]が多く低くなりがちな防御力を補い、[[《偽りの王 ヴィルヘルム》]]を[[サーチ]]して更なる[[ランデス]]に勤しんだり、[[《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》]]を[[サーチ]]して動けない相手を尻目に[[シールド焼却]]したり、それらで[[呪文]]メタの[[除去]]を行ったりとやりたい放題である。

-効果は各[[文明]]を意識しているのが見て取れる。
--[[光]]文明の[[シールド追加]]
--[[闇]]文明の[[確定除去]]
--[[火]]文明と[[自然]]文明の[[ランデス]](2文明なので2枚)
--[[水]]文明の[[サーチ]]

-効果を他の呪文で例えれば、[[《ミステリー・ブレス》]] + [[《炎獄スマッシュ》]] + 劣化版[[《マナ・クライシス》]]×2 + [[《次元の霊峰》]]。単純な能力の[[コスト]]換算ならは12程度が妥当な数値である。実際にはそれらをすべて使った上で使うカードは1枚、[[手札]]は消耗すらしていない。さすがは[[5色レインボー]]のスペックといったところか。

-滅多に無いが、デッキの構築がほぼ全て[[多色]]カードとなっている相手には弱い。そのような場合、[[シールド]]追加と[[多色]][[クリーチャー]]の[[サーチ]]しか行えず、コスト論的にも物足りなくなる。

-上記で述べた通り、これ1枚で膨大なアドバンテージを叩き出す事が可能だが、[[《真実の名 アカデミー・マスター》]]や[[《邪眼皇アレクサンドルIII世》]]、[[《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》]]が存在している状況下でこの[[呪文]]を唱える事に成功すれば、1:10交換というもはや暴力的とすら言える程の大打撃を与えられる。さすがにここまでいくと若干[[オーバーキル]]ではあるものの、それらを投入した5色の[[ランデス]][[デッキ]]を作るのであれば、一考の余地があるかもしれない。

-[[DMX-12>DMX-12 「ブラック・ボックス・パック」]]にて収録されているこのカードのイラストには、漫画「ビクトリー」、アニメ「ビクトリーV」で登場した「YARASHI」のメンバー5人が描かれている。

-漫画「FE」の最終話で[[勝舞>切札 勝舞]]が使用。[[《超聖竜ボルフェウス・ヘヴン》]]の能力で唱え、[[ブロッカー]]の[[《黒神龍ドボルザーク》]]を[[破壊]]し、そのまま[[ザキラ]]に[[ダイレクトアタック]]を決めた。

**収録セット [#j5790ea2]
-illus.[[Hisanobu Kometani]]
--[[DM-27 「極神編 第4弾 完全極神(パーフェクト・ヘヴン)」]]
-illus.[[Shigenobu Matsumoto]]
--[[DMX-12 「ブラック・ボックス・パック」]]
--[[DMEX-03 「ペリッ!!スペシャルだらけのミステリーパック」]]

**参考 [#he0e66ac]
-[[タップイン]]
-[[山札の上]]
-[[シールド追加]]
-[[単色]]
-[[無色]]
-[[除去]]
-[[ランデス]]
-[[山札]]
-[[見る]]
-[[多色]]
-[[クリーチャー]]
-[[サーチ]]
-[[シャッフル]]
-[[【5色ランデス】]]