#author("2019-03-13T16:34:43+09:00","","")
#author("2019-08-20T23:38:21+09:00","","")
*トリガー&ruby(のうりょく){能力}; [#k818a0bb]

トリガー能力とは、特定の条件を満たす度に誘発する[[能力]]である。総合ゲームルールでは「誘発型能力」と記述される。
「誘発条件(〜した時)、[[効果]](〜する)」の書式で書かれる。

|怒髪の豪腕(レイジ・アーム) C 自然文明 (2)|
|クリーチャー:ビーストフォーク 1000+|
|他のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、このクリーチャーのパワーは+3000される。|

#hr
|飛行男 C 闇文明 (2)|
|クリーチャー:ヘドリアン 1000|
|このクリーチャーが破壊された時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。|

トリガー能力が誘発条件を満たすことを「トリガーする」、トリガー能力の効果を処理することを「[[解決]]する」という。
トリガー能力にはいくつかのルールがある。これを覚えておかないと、カードを使った結果がまるで変わってしまうことがあり、注意が必要である。

**トリガー能力のルール(※2015年7月15日改定) [#h6e137b0]
1.トリガー能力は、''他のトリガー能力や[[呪文]]の解決中には解決されない''。
呪文や他のトリガー能力によってトリガー能力が誘発した場合、それらが解決されるまで待機状態になり、それらが終わってから解決される。

例)[[《獰猛なる大地》]]で[[《魔刻の斬将オルゼキア》]]を出し入れする場合、《獰猛なる大地》が[[墓地]]に置かれてから《オルゼキア》の[[トリガー能力]]で[[クリーチャー]]を[[破壊]]する。
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2.トリガー能力は、''全ての[[常在型能力]]の効果を適用した後に解決される''。誘発条件のない[[常在型能力]]は全てのトリガー能力に優先する。

例)[[《怒髪の豪腕》]]が[[バトルゾーン]]に存在する時に[[《希望の親衛隊ファンク》]]を[[召喚]]すると、まず[[《希望の親衛隊ファンク》]]の[[常在型能力]]の効果が処理され、[[《怒髪の豪腕》]]は[[破壊]]される。 &br;一応、《怒髪の豪腕》がいなくなっても、誘発していたトリガー能力である[[パンプアップ]]が次に[[解決]]されるが、怒髪の豪腕は既に[[破壊]]されて場にいないので不発に終わる。
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3.トリガー能力が''同時に誘発した場合、いったん待機状態になり一つずつ[[解決]]する''。
自分のトリガー能力が一度に二つ以上に誘発した場合、好きな順番でひとつずつ[[解決]]していく(''実際に誘発した順番通りでなくてよい'')。

例)[[《ヘブンズ・ゲート》]]で[[《奇跡の精霊ミルザム》]]と[[《音感の精霊龍 エメラルーダ》]]を出す場合、[[《ヘブンズ・ゲート》]]が[[墓地]]に置かれてから、[[ウルトラシールド・プラス]]と[[シールド交換]]([[暴発]])を好きな順番で[[解決]]する。
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4.自分と相手のトリガー能力が同時に発生した場合、''ターンを進行しているプレイヤー(>[[アクティブ・プレイヤー]])が自身のトリガー能力を好きな順番で解決し、すべて解決し終えた後でもう一方のプレイヤーが自身のトリガー能力を解決する''。

例)互いの[[《飛行男》]]が[[バトル]]で[[相打ち]]になった場合、[[アクティブ・プレイヤー]]の[[《飛行男》]]の[[pig]]を先に[[解決]]する。

また、自分と相手のトリガー能力が同時に誘発した場合、''自分のターンか相手のターンかで結果が異なることがある''。

例)[[《威牙忍ヤミノザンジ》]]を召喚して、相手の[[《怒髪の豪腕》]](パワー1000)を破壊しようとしたとする(どちらもトリガー能力)。それが自分のターンなら《ヤミノザンジ》の「パワー−2000」の能力から解決されるので《怒髪の豪腕》は破壊される。しかし、相手のターンだと《怒髪の豪腕》のトリガー能力から解決されるので破壊できない。
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5.トリガー能力解決中に別のトリガー能力が誘発した場合、''同じタイミングで誘発したトリガー能力として扱われる''(4.と関連)。加えて、非アクティブ・プレイヤーのトリガー能力解決中に[[アクティブ・プレイヤー]]のトリガー能力が誘発した場合、''如何なる場合でも必ず[[アクティブ・プレイヤー]]のトリガー能力が優先的に解決される''。(非アクティブ・プレイヤーがもつ未解決のトリガー能力は、解決が保留される)

例)[[バトルゾーン]]に相手の[[《百発人形マグナム》]]がおり、また、自分の[[手札]]と[[マナゾーン]]に[[《若頭 鬼流院 刃》]]がいるとする。
自分の[[メインステップ]]中に[[《若頭 鬼流院 刃》]]を召喚し、[[能力]]で2体目の[[《若頭 鬼流院 刃》]]を[[マナゾーン]]から[[バトルゾーン]]に出すと、2体目の[[《若頭 鬼流院 刃》]]と相手の[[《百発人形マグナム》]]の2つの[[トリガー能力]]が誘発する。

この場合、まず[[アクティブ・プレイヤー]]から[[解決]]するため、2体目の[[《若頭 鬼流院 刃》]]の[[cip]]を先に[[解決]]する。

例)[[バトルゾーン]]には自分の[[《真実の皇帝 アドレナリン・マックス》]]とその他[[クリーチャー]]が、相手の[[《聖霊龍王 バラディオス》]]が2体いるとする。《アドレナリン・マックス》はまだこの[[ターン]]中[[タップ]]されたことがないとし、ここでその他[[クリーチャー]]で相手の最後の[[シールド]]を[[ブレイク]]したとする。

このとき[[能力]]が[[トリガー]]するのは2体の《バラディオス》のみである。まず1体目の《バラディオス》の[[能力]]が[[解決]]されるが、その際《アドレナリン・マックス》の[[能力]]が[[トリガー]]する。《アドレナリン・マックス》のコントロール・プレイヤーがアクティブであるため、《アドレナリン・マックス》のトリガー能力を解決して全[[ドラゴン]]を[[アンタップ]]する。その後2体目の《バラディオス》[[解決]]となるため、最終的に全軍が[[タップ]]状態になる。
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6.トリガー能力に限らず、適用予定だった能力が解決される前に適用対象のカードタイプが変更されたり、[[攻撃できない]]等の適用後もゲームに影響する能力が解決された後にカードタイプが変更されるたりすると、''その能力による[[単発的効果]]、[[継続的効果]]はすべてリセットされる''。

例)[[《無敵剣 プロト・ギガハート》]]を装備した[[《龍覇 アイラ・フィズ》]]が[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]に[[進化]]しているとする。このとき、[[《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》]]等の[[カード指定除去]]型の[[全体除去]]が適用されると、[[ウエポン]]の[[《無敵剣 プロト・ギガハート》]]、[[進化元]]の[[《龍覇 アイラ・フィズ》]]、一番上の[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]がそれぞれ個別に[[山札送り]]の対象となる。[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]の移動に反応して、[[《無敵剣 プロト・ギガハート》]]の[[置換効果]]が発動し、[[龍解]]する。置換されたため、[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]は[[除去]]を免れ、[[《最強龍 オウギンガ・ゼロ》]]も[[カードタイプ]]変更により同じく免れる。最終的に[[山札送り]]になるのは[[《龍覇 アイラ・フィズ》]]のみである。

例)[[《勝利のプリンプリン》]]で固められた[[《最終龍理 Q.E.D.+》]]が[[龍回避]]したり、[[《覚星龍界 剣聖ジゲン》]]によって裏返されたりすると、[[攻撃できない]]等はすべて無効化される。状況によっては即[[龍解]]し直して[[攻撃]]に回れる。
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7.同じトリガー能力が並列している場合、''[[S・トリガー]]、および[[S・バック]]の解決が何よりも優先される''。[[呪文]]解決中でなければ、トリガー能力解決中であっても[[S・トリガー]]等の解決が''割り込んで''優先される。同じ[[S・トリガー]]等であれば、こちらも[[アクティブ・プレイヤー]]に優先権が存在する。逆に非アクティブ・プレイヤーの[[S・トリガー]]等と、[[アクティブ・プレイヤー]]のそれ以外のトリガー能力が並列した場合は、見かけ上非アクティブ・プレイヤーが優先される格好になる。

例)[[《「黒幕」》]]、[[《音感の精霊龍 エメラルーダ》]]等。

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**その他 [#u48ab9b4]
-かなり重要なルールのはずだが、ルールブックにもあまり記載されておらず、[[デュエル・マスターズ公式HP]]でも一部のカードのQ&A欄にちょっと載っているぐらい。 

-あまり複雑すぎることを大々的にルールブックに載せると、初心者や低年齢層が敬遠してゲームの間口が狭まるから、といった理由はあるだろうが、せめてルールブックの隅に小さい項を作って載せて欲しいところ。 
//「DMS-05 「ベスト・チャレンジャースターターセット」では「トリガー能力」の解説があり、双方のトリガー能力が同時に誘発した場合の説明もある。

-「[[バトルゾーン]]に出した時〜」の[[cip]]能力、「[[破壊]]された時〜」の[[pig]]能力、「攻撃する時〜」の[[アタックトリガー]]は全てトリガー能力に該当する。&br;また、名前から分かるように、[[S・トリガー]]もトリガー能力である。

-[[《雷鳴の守護者ミスト・リエス》]]、[[《封魔妖スーパー・クズトレイン》]]等の[[システムクリーチャー]]の能力は間違えやすいが「トリガー能力」である。「継続期間中、効果を生成する」のが[[常在型能力]]。

-トリガー能力は何らかのイベントによって引き起こされる。そのため、必ず誘発条件となるイベントが完了した後に効果を生成する。&br;例)[[《邪魂創世》]]で[[《予言者ファルシ》]]を[[破壊]]した場合、《邪魂創世》を[[墓地]]に置いてから《ファルシ》の[[pig]]を[[解決]]する。

-[[アタックトリガー]]は「攻撃''する''時」となっているが、[[攻撃]]を終えた後ではなく、[[攻撃]]の宣言を終えた直後に効果を生成する。

**その他の能力との関連 [#uf7d37ae]
-[[パワーアタッカー]]は''トリガー能力ではない''。[[攻撃]]という継続期間の間[[パワー]]が上昇し続ける''[[常在型能力]]である''。

-[[《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》]]など、[[置換効果]]を生成するトリガー能力はあるが、[[置換効果]]自体はトリガー能力ではない。[[置換効果]]は[[解決]]の最中に割りこんで実行される[[効果]]であり、そもそも、[[効果]]と[[能力]]は別物である。単に「効果」といった場合は「能力による影響」を指す。

-[[《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》]]のような、「Aする時、かわりにBする」という能力は、一見[[トリガー能力]]に思えるが、''継続期間の表記が省略された[[常在型能力]]([[置換効果]])である''。
--「Aする時、Bする」という能力は、Bを行うのがAした後であればトリガー能力である([[《アクア・ハルカス》]]等)。だが、Aを実行する直前に作用し、別の結果をもたらすのであれば「''Bに割り込んでAする''」という[[置換効果]](を生成する常在型能力)である。[[Magic:The Gathering]]では混同を避けるため、トリガー能力に「〜するたび」を、置換効果に「〜する際」を当てている。
-「した時」はその行動が完了した時、「する時」は基本的に[[置換効果]]に関わるためその行動の実行直前に行われる。&br;この違いは[[《一なる部隊 イワシン》]]などの「どこからでも墓地に置かれた時」と[[《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》]]などの「どこからでも墓地に置かれる時、かわりに〜」に顕著で、これらが進化元として[[進化クリーチャー]]ごと墓地に置かれた際、前者は墓地へ移動後[[進化クリーチャー]]と分離するのでトリガーすることができるが、後者は墓地への移動前、[[進化クリーチャー]]の特性である「進化元は能力などの特性を失う」状態でトリガータイミングを迎えるため不発になる。

-「〜する(〜してもよい)。そうした場合〜する(〜してもよい)」という、能動的にイベントを起こさせる表記は「[[コスト]]」という扱いになる。コストの場合、指定された行動が[[置換効果]]などによって結果的に行えなかった場合でも[[効果]]は実行する。&br;例)[[《邪魂創世》]]で[[《アクア・ソルジャー》]]を[[破壊]]しても[[《アクア・ソルジャー》]]は実際には[[破壊]]されないが[[ドロー]]はできる。
--ただし、トリガー能力の場合は、指定されたイベントが実際に行われなければならない。&br;例)[[《アクア・ソルジャー》]]は[[破壊]]される時に[[置換効果]]で[[手札]]に戻る。よって、[[破壊]]されたという結果は残らず、[[《封魔妖スーパー・クズトレイン》]](トリガー能力)ではドローできない。
--詳細は「[[コスト]]」のページを参照。なお、「〜する」が「〜してもよい」と、[[任意]]の場合も同様である。([[《デッドリー・ラブ》]]など。)

-「Aした時、Bであれば、Cする。」という表記のトリガー能力もある。この際、Bは効果の一部として扱われる。したがって、AしたタイミングでBの条件が満たされずとも、[[解決]]時までに条件を満たせればCすることができるようになる。(例:[[《邪眼皇アレクサンドルIII世》]]、[[マナ武装]]全般、[[《予言者リク》]]etc...)
//--誘発の条件の場合、Aした時にチェックし、解決時に確認することはない。
//--効果の一部の場合、解決時にチェックする。
//↑「誘発の条件」である場合の具体例が示されていない。上記の代表例を見る限り、この手の表記はすべて効果の一部である。

-一方、「DであるAした時、Cする。」という表記のトリガー能力の場合は、Dは誘発の条件として扱われる。したがって、AしたタイミングでそもそもDではなければ[[トリガー]]すること自体がない。結果的にCすることもない。(例:[[《制御の翼 オリオティス》]])

--誘発の条件の場合、Aした時にチェックし、解決時に確認することはない。
--効果の一部の場合、解決時にチェックする。

-「自分の[[ターン]]のはじめに〜」「自分の[[ターン]]のおわりに〜」と書かれたトリガー能力は、その[[クリーチャー]]が[[バトルゾーン]]にいた状態で、指定されたタイミングを迎えなければ[[トリガー]]しない。
--例えば、[[ターン]]のはじめに[[覚醒]]した[[サイキック・クリーチャー]]の上に[[《超時空ストーム G・XX》]]を[[進化]]させた場合、そのまま[[メテオバーン覚醒]]させることはできない。これは、[[ターン]]のはじめを迎えたタイミングでは[[《超時空ストーム G・XX》]]が[[バトルゾーン]]にいなかったため、そもそも[[メテオバーン覚醒]]が[[トリガー]]しないためである。

-多くのルール用語の例に漏れず、これも[[Magic:The Gathering]]のTriggered Abilityから。ただし、MTGでは「誘発型能力」と訳されている。
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***トリガー能力であるものの例 [#o3afda2d]
-[[cip]](出た時効果)
-[[pig]](破壊された時の効果)
-[[アタックトリガー]](攻撃する時の効果)

***トリガー能力ではないものの例 [#r0d76897]
-[[常在型能力]]
--[[スピードアタッカー]]
--[[パワーアタッカー]]
-[[呪文能力]]([[呪文]]の効果)
-[[置換効果]](置き換え効果)
--[[破壊置換効果]]
---[[モヤシ]]
---[[解除]]
--[[マッドネス]]

----
**参考 [#r16aa64e]
-[[用語集]]
-[[効果]]
--[[単発的効果]]
--[[継続的効果]]
--[[置換効果]]
---[[置換効果(狭義)>置換効果#narrow]]
---[[自己置換効果]]
-[[能力]]
--[[常在型能力]]
--''トリガー能力''
--[[起動型能力]]
-[[解決]]